あたしたちと実家
「実家」って、自分の家を出て一人暮らししてる人と、家族と暮らしてる人で認識が違うくない?
例えばさ、あたしたちみたいに上京して一人強く生きてるタイプの人間だと
「実家は農業やっててー」っていう言い方になるけど、
家族と暮らしてる人なんかは、
「実家は農業やってて、父はサラリーマンをしてる」って言い方をするのよ。
実家=自分のお父さん だったり
実家=自分のおじいちゃん だったりしない?
年齢とか婚姻の有無にもよるかもしれないけど、
自分がどういうライフスタイルを送ってるかでその言葉の意味が変わってくるってすごいよね。
独り立ちって言うと大袈裟に聞こえるかもだけど、
「実家どこ?」って聞いて、おじいちゃんちを答えちゃう人とは会話が噛み合わなくなりがちよね。
まぁそんな話は置いておいてだな。
(300文字使っておいて。)
年末年始になると、故郷へ帰る方も多いと思います。
あたしたちとしては、そういう生活ができる人が羨ましいっていうか、好き好んで親元に帰るのってすごいなって思うのよね。
お義理で行くとしてもよ。
あたしたちにはサッパリわからない他人事ですが、「結婚はまだなのか?」とか聞かれるらしいじゃない。
勝手にお見合いを設定されたり、結婚をしたほうがいいって諭されたりするらしいじゃない。
えええーーーっ
マジかよ。。そんな嫌がらせされに帰るのかよ。。
あたしたちには絶対耐えられない。
何その「青汁って健康にいいらしいから飲みなさいよ」レベルの余計なお世話。
っていうか、そんなこと言われるためにいちいちわざわざ混んでる高い時期に帰るの。。前世でどんな罪を犯したの。。?
というわけで、勝手な妄想で、実家からの結婚攻撃をやり過ごす方法を考えてみました!
その1
「もう結婚したけど?」で撹乱する。
「もう結婚したけど?」
「え、あんた結婚したの?なんの連絡もなかったけど。相手はどんな人なの?」
「嘘よ、いないわよ」
「何言ってるの、じゃあ未婚なのね?」
「結婚はしたってば!」
「バツイチってこと?」
「一度も結婚なんてしてねーわよ!」「事実婚なの?」
「相手がいねえって言ってんじゃない!!」
っていう、噛み合わないやり取りを相手が疲れるまで繰り返す。
こっちも疲れるけど、「二度とこの話は話題に上がらなくなる」という点では絶大な威力を誇ります。
病院に連れて行かれるので、それ以外の会話はなるべく噛み合うように意識してキャッチボールをするようにしましょう。
その2
内館牧子劇場をはじめる。
みんな大好き内館牧子。
困った時の内館牧子です。
実家に限らず、仕事でも恋愛でもパワープレイができてしまいます。
「あたしが付き合う彼氏ってみんなDVなのよね。とてもではないけれど、付き合う気なんて起きないわ。
どうしてだと思う?
お父さんがお母さんのことぶったからよ!
やめてやめてって言ってもぶつのをやめなかったじゃない。
子どもに言い聞かせるみたいに何度も何度もぶったじゃない。
それを見てきたあたしが幸せな結婚なんてできると思う?
ねぇ、あたしだけがふと我に返って幸せな人生を歩めるようになると思う?
そんなに結婚がいいものなら、お母さんはお父さんにぶたれるのが好きなのね!
今でもお父さんに理不尽な暴力を振られて喜んでるの?
そっか、それもプレイだったのね。
お母さん、お父さんにぶたれながら感じてたんでしょ?
あの時だって本当は濡れてたんでしょう?
やめてって言うのはもっとしての合図だったのね。
何度も何度も、あたしの耳にこびりつくくらい何度も言ったのはもっとして欲しかったからなんだ。
大丈夫よ、お母さん。安心して。
お父さんとお母さんがそんな変態だったとしても、あたしも同じ気持ちだから、安心して。
あたし今すっごい不幸なの!気持ちがいいの、感じるの!身体だって、普通じゃないくらいに濡れるのよ。
良かった、あたしだけが変態なんじゃないかと思ってた。あたしが変態なのは、お父さんとお母さんが変態だったからなのね。
暴力振るう人と結婚なんて考えてもみなかったけど、お母さんみたいにぶたれた後に股を開けば、あたしもいつかは結婚っていいものだって言えるようになるのね。
わかったわ、よおくわかったわ。前向きに結婚を検討することにします。」
っていうびっくり長台詞を、淡々とまくしたてるの。
DVの事実なんてあってもなくてもいいのよ。この場面には「自分が今何をどう感じてるのか」が大事なわけだから。
濡れる、とか、 股を開く、とか、
印象的な単語を使うとより内館牧子感が増します。
デメリットがあるとすれば、逆の意味で心底心配されることと、内館牧子ファンには通じないことね。
でも「結婚しないと不幸になる」めいた、善意なんだか小馬鹿にしてるんだかわからない心配をされるくらいだったら、命の心配、人生の心配をしてもらったほうが、親子の絆がぐっと深まると思わない?
その3
「どういう意味?説明して!」を繰り返す。
これは、別に実家に限らず、あたしたちがよく使う常套手段ね。
説明は求めるんだけど、まともに聞いたらバカになるから絶対に聞いちゃだめ。
ところどころ、相手が使った単語をゆっくりとおうむ返ししたり、倒置法で言い回しを変えたりした後に「続けて?」と促すのが効果的。
「なんで結婚しなきゃいけないの?説明して」
「(多分一所懸命説明してくれる)で、老後だって心配じゃない」
「ろ、う、ご、。ううん、気にしないで。続けて。」
「(多分一所懸命説明してくれる)子どもを持ってこそ一人前で」
「一人前、子どもを持ってこそ。ごめんなさいね、続けて。」
「(多分一所懸命説明してくれる)あなたのためを思って。。」
「あなたっていうのは、私のこと?わ、た、し、の、こ、と、を、し、ん、ぱ、い、し、て、ね。まだ続く?」
「(多分一所懸命説明してくれる)一生一人で過ごすのは寂しいじゃない?」
「そうなの、そういう考え方もあるのね。大変参考になりました。持ち帰って検討します。」
で、どうかしら。
デメリットは相手を怒らせることと、まともに聞いてるこっちの神経がおかしくなったら元も子もないこと。
その4
いっそ敵対関係を築く
年末年始、親戚が一堂に会せば子どもの一人二人はいることでしょう。
そこで伝家の宝刀です。
「いない、いない、いらない、ババア!」
いないいないばぁを文字ったものですが、このネタは非常によく出来ています。
まずはダブルミーニングですね。
・結婚していない自分をいらないババァだと卑下する。
・結婚に対して口うるさい両親を、子ども経由で「いらないババァ」と罵る
これだけで充分大ダメージを与えられるでしょうが、子ども相手にやるのにはもう1つ理由があります。
子どもにとって良くない言葉を使うことは、人間性を疑われます。
もうこれが一番手っ取り早いですね。
物心つきそうでつかない、無邪気に悪口を言える子どもを味方につけて、
「いないいないいらないババァ」を子どもに言わせたら勝ったようなもんです。
ちなみに、あたしたちの場合は、正直に(性別は伝えずに)自分に相手ができない理由を話すわ。嘘ではないもの。
その5
ある意味正直に話す。
「あたし実はDVなの。最近わかったことなんだけど、酔うと怒りっぽくなって、手をあげてしまうのね。優しい人は多少我慢してくれるんだけど、そのうち耐えられなくなっていなくなっちゃうの。」
「あたし実はすごい面食いなの。仕事してなくても依存症でも遊び人でもなんでもいいのよ、顔さえ良ければ。アイドルみたいなのが好きってわけじゃないのよ。基準に満たない人と同じ空間で一緒の酸素を吸ってると思うだけで気が狂いそうになるの。」
だいたい、同性愛だろうが異性愛だろうが、相手が見つからない人っていうのはどうしようもない理由があって見つからないわけで、なおかつ「この物件は人様に出せるようなものではないぞ」と思わせることで縁談の自動キャンセル機能もあるわね。(他の2つは、どちらかというと縁談キャンセルよりも、縁を切られる可能性が高い)
デメリットとしては、彼氏彼女がいる人は使えないってことね。
でも素敵な恋人がいるような欠点のない人だったら、結婚しなさいよって言われる苦行は受けるべきじゃない?
背負う業の深さが平等じゃない。
親と顔合わせるのがしんどかったら行かなきゃいいし、行ったからには甘んじなさいよ、と。
東京に帰ってきたら素敵な恋人が欠点のないあんたを慰めてくれるんだから、ピーピー言ってないで我慢しなさいよ。
嘘をつくその後ろめたさも、裏ではちんぽしゃぶってるっていう秘密を持つ興奮に比べたら、それも含めて前戯みたいなもんなんだから。
あたしたちは、恋人ができない致命的な理由を持たない男女を応援します!